こんにちは。
深健工舎の一級建築士大工のカズ こと 深澤一喜です。

お盆休みの間に、地元前橋で同級生や仲間たちと集まる機会がありました。
その日は、幼馴染が長く続けてきたお店の一区切りにあわせた労いの会でもあり、あわせてそのお店の原状復帰工事にも関わらせていただきました。
原状復帰工事は、ただ元に戻すだけの仕事ではありません。
長く使われた空間に感謝を込めて、次へ手渡すための仕事でもある。今回は、そんなことを感じた前橋での一日について書いてみます。

前橋アーケード街
このブログでお伝えしたいこと
地元前橋を歩いてあらためて感じた建築のこと。
建物は「目立つこと」より「その場所にどう在るか」が大切だということ。
自分自身の体調経験から、日々の暮らしと素材選びをどう考えているか。
原状復帰工事とは、ただ元に戻すだけの作業ではないということ。
開店工事・改装工事・閉店工事では、建築との向き合い方が少し違うこと。
長く使われたお店を、感謝を込めて次へ手渡すことも建築の仕事だということ。
1 お盆休みの再会から始まった一日

お盆休みの間に、地元で同級生たちとの集まりがありました。
中学の同級生、高校時代の仲間、幼馴染、そしてご縁があって同じ志を持ち、今も共に勉強している仲間もいて、にぎやかでありながらも、どこか落ち着いた良い時間になりました。中には30年ぶりに会う顔もあり、それぞれが重ねてきた年月を感じるひとときでした。
この日の集まりは、幼馴染が長く続けてきたお店の一区切りにあわせた労いの会でもありました。家族の都合で、いったん閉店することになったためです。
長く続いてきたお店には、ただ営業してきたというだけではなく、その場所で働いた時間、通ってくれたお客さまとの関係、地域の中で育ってきた空気があります。今回は、その節目に工事という形で関わらせていただくことになりました。
2 少し早く着いて、前橋の建築を歩きました

まえばしガレリア

アーツ前橋
集合時間より少し早めに地元前橋へ着いたので、まちなかを歩きながら、まえばしガレリア、アーツ前橋、人気店が立ち並ぶアーケード街を通り、馬場川通りにある白井屋ホテル、そして個人的にとても好きな馬場川パブリックトイレを見て回りました。

白井屋ホテル
その場所にどう在るか
建築は、ただ新しいとか、有名だとか、それだけで価値が決まるものではないと思います。
まちなみとの関係、光の入り方、素材の使い方、動線(人の動きの流れ)、人が近づいたときの圧迫感の有無。そうした一つひとつの積み重ねが、建物の居心地や表情をつくります。

馬場川パブリックトイレ
建築を見る時間は、仕事を見直す時間
その場所に無理なく在る建築には、やはり惹かれるものがあります。
地元の建築をあらためて歩く時間は、ただ見学するだけではなく、自分たちの仕事の足元を静かに見直す時間にもなりました。
3 気になっていたサンデールームへ

途中で立ち寄ったのが、以前から気になっていた「サンデールーム」です。
自分自身、化学物質過敏症のような症状があり、日頃から食品や食品添加物には気をつけています。そのことを知っている知り合いの建築士さんに教えていただいたお店で、自然栽培の農産物や調味料、加工品を丁寧に選んで扱っていました。
何を選び、どう暮らしにつなげるか
何を置くかだけでなく、何を選び、どう暮らしにつなげるか。
その姿勢に共感するものがありました。
住まいづくりにも通じる感覚
住まいづくりも同じです。
材料は、見た目や価格だけで決めるものではありません。身体への負担、手入れのしやすさ、経年変化(時間がたったときの変化)、そして長く付き合えるかどうかまで含めて考えることが大切です。
食べるものと、住む場所。
どちらも毎日の積み重ねだからこそ、無理のない選び方をしたいとあらためて感じました。
4 原状復帰工事とは、ただ元に戻すことではありません
今回、その幼馴染のお店の原状復帰工事に携わらせていただきました。
原状復帰とは、賃貸していた店舗を返却できる状態に整える工事のことです。
言葉にすると簡単ですが、現場ではそう単純ではありません。
長く使われた空間には痕跡が残る
長く使われてきた店舗には、そのお店なりの工夫があります。
設備の入れ替え、使いやすくするための手直し、補修の跡、日々の営業の中でできた傷みや表情。そうしたものが空間の中に積み重なっています。
解体とは別の丁寧さがいる
ですから原状復帰工事は、ただ撤去して終わる作業ではありません。
どこを外し、どこを整え、どこまでを次へ引き渡す状態として納めるかを、一つずつ判断していく必要があります。
ここには、解体とは別の丁寧さが求められると感じました。
5 開店工事と閉店工事では、向き合い方が少し違います
私はこれまで、開店のための工事や改装工事には何度も関わってきました。
けれど、閉店にともなう復旧工事は、思い返してみると初めてに近い経験でした。
開店工事は、始まりを支える工事
開店工事は、これから始まる時間を支える工事です。
改装工事は、今ある空間を次の使い方へ育てていく工事です。
閉店工事は、空間をきちんと納める工事
それに対して、閉店にともなう原状復帰工事は、役目を終えた空間をきちんと納める工事だと感じました。
ここでいう「納める」とは、ただ終わらせることではありません。
無理のないおさまりで整え、次に使う人や貸主さんへ、きちんと手渡せる状態にすることです。
見えなくなる部分も含めて、最後まで丁寧に向き合う。
そこに、工事の質や人柄が出るように思います。
6 幼馴染のお店だからこそ、共に感謝を込めて行った工事
今回は、幼馴染が長く続けてきたお店でした。
ただの一件の店舗工事という気持ちでは、やはりありませんでした。
空間の重みは、時間の積み重ねから生まれる
その場所には、幼馴染の店長さんが積み重ねてきた日々があり、通ってきたお客さまとの関係があり、地域の中で果たしてきた役割があります。長く続けてきたからこそ残る空間の重みがあります。
感謝を込めて、次へ手渡す
だからこそ今回の工事は、単に元に戻すためだけではなく、幼馴染の店長さんと共に感謝を込めて行った工事だったと思っています。
壊して終わるのではなく、長く使ってきた場所に一区切りをつけ、次へ静かに手渡していく。
そんな気持ちで関わらせていただきました。
7 建築の仕事は、人の時間に向き合う仕事です
建物は、完成した瞬間だけを見て評価できるものではありません。
そこから人が使い、手を入れ、歳月を重ねていくことで、本当の意味での表情が生まれていきます。
空間は、使われることで表情を持つ
住宅でも店舗でも同じです。
そこで暮らした時間、働いた時間、通ってくれた人の記憶。そうしたものが積み重なって、空間はただの箱ではなくなっていきます。
始まりと終わりの両方に関わるのが建築
私は大工として現場に立つ中で、図面には描ききれない「使われ方の時間」をよく見ます。
一級建築士としては、長く使われる前提で計画し、無理のない構造や素材選び、手入れしやすい納まりを考えます。
始まりを支えることも建築の仕事です。
けれど同時に、役目を終えた場所を丁寧に整え、次へ手渡すこともまた、建築に関わる者の大切な役目だとあらためて感じました。
8 まとめ|建築は、始まりだけでなく終わりも支える仕事です
今回のお盆休みは、懐かしい再会があり、地元前橋の建築を歩き、気になっていたお店にも立ち寄ることができ、そして幼馴染のお店の原状復帰工事にも関わることができた、印象深い時間になりました。
原状復帰工事は、ただ元に戻す作業ではありませんでした。
長く使われた空間を丁寧に整理し、「ありがとう」の気持ちを込めて次へ手渡す仕事でした。
新しく建てること。
直して住み継ぐこと。
そして、役目を終えた空間をきちんと納めること。
どれも建築の大切な仕事です。
今回の現場を通して、建築は始まりだけでなく、終わりにも責任を持つ仕事なのだと、あらためて感じました。
家のこと、暮らしのこと、気軽にご相談ください
今回のような店舗の原状復帰工事はもちろん、私たちが日頃大切にしているのは、長く気持ちよく使える建物を考えることです。
こんなご相談からで大丈夫です
- 自然素材を使った住まいづくりを考えたい
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まずは、気になっていることを聞かせてください
深健工舎では、自然素材、高気密・高断熱、高耐震、そして日々の暮らしやすさまで含めて、家族ごとの住まいを一緒に考えています。
最初のご相談では、図面や土地がまだなくても構いません。
気になっていること、家族の暮らし方、これから大切にしたいことを聞かせてください。そこから、必要な性能と設計の基準線を整理していきます。
群馬県前橋市を中心に、伊勢崎市、玉村町、高崎市、北群馬郡で、家のこと、暮らしのことをお伺いしています。
まずはお気軽にご連絡ください。
深健工舎の一級建築士大工のカズ こと 深澤一喜が、大工の立場からも、一級建築士の立場からも、正直にお答えします。
一級建築士大工のカズ こと 深澤一喜
深健工舎/大工工務店2代目・一級建築士
深健工舎は、群馬県前橋市を中心に、自然素材を使った高気密・高断熱・高耐震の健康住宅を、新築・リノベーション・リフォーム工事で手掛ける、設計事務所併設の大工工務店です。
根拠のある提案と、誠実な対応をお約束します。



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